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弁護士法人心 厚木法律事務所

交通事故の慰謝料はいつ振り込まれるのか

  • 文責:所長 弁護士 安藤伸介
  • 最終更新日:2025年1月7日

交通事故被害に遭ってしまった場合、怪我の治療費や入院費で予想外に出費がかさんでしまうものです。

その費用に充てるためにも、被害者側からしたら一刻も早く慰謝料(賠償金)を支払ってほしいと思うことでしょう。

しかし、交通事故の慰謝料・賠償金は、事故後すぐに支払ってもらえるものではありません。

金額がなかなか確定できないこともあり、怪我の状態によっては支払いが1年以上先になってしまうこともあります。

このような場合は、被害者自身が治療費などを一旦立て替える必要が生じるでしょう。

今回は、交通事故慰謝料の支払いまでの期間(いつ振り込まれるのか?)について解説します。

お金についての不安を抱えながら生活をしている交通事故被害者の方は、是非ご一読ください。

1 慰謝料が支払われるまでの期間

早速ですが、事故発生後、慰謝料支払いまでの期間はどれくらいになるのでしょうか。

⑴ 示談交渉開始から終了までの目安は3ヶ月〜

前提として、交通事故の慰謝料は被害者と加害者の示談がまとまってから支払われます。

つまり、「慰謝料がいつ支払われるのか?」ということは、「いつ示談がまとまるのか?」とほとんど同義になります。

とはいえ、示談開始から示談終了までの期間を一概に○ヶ月と言うことはできません。

示談交渉にかかる期間というのは、それぞれの事故の様態によって大きく変動するためです。

以下、示談までの期間を状況別にご説明します。

なお、ここでいう示談交渉開始とは、簡単に言うと治療が終了し後遺障害認定手続きを経た後、示談金について話し合いを始める時点のことです。

事故発生からではない点にご注意ください。

争点の少ない軽い事故だった場合

事故状況や過失割合に争点がない場合や、損害額自体がそれほど高額でない場合、怪我の状態も軽度のうちうちなどで軽い場合などには、示談交渉はスムーズに進むことが多いです。

よって、示談交渉を開始してから終了までの期間の目安としては3ヶ月を基準に考えると良いでしょう

過失割合に納得できない場合

過失割合に争いが出ている場合は、交渉を開始してから3ヶ月以上の期間がかかると考えられます。

過失割合とは、当該交通事故における責任の割合のことです。

事故状況とこれまでの裁判例などをもとに、加害者・被害者のどちらにどれくらいの責任があるのかを判断します。

保険会社が提示してきた過失割合に納得がいかないと、示談交渉が長引いてしまいます。

双方が納得して合意できるまで示談交渉は続くと考えましょう。

後遺障害が残った場合

後遺障害とは、交通事故の後遺症のうち、後遺障害等級の認定を受けられる程度のものを指します。

通常の治療後、これ以上治療しても良くならないとされる「症状固定」の判断を受けた場合に、後遺障害等級認定の申請をすることになります。

そして、申請後に認定される等級によって、後遺障害慰謝料等の額が変わります。

後遺障害が残ってしまった場合は、治療期間だけで最低6ヶ月程度期間を要します。

さらに、後遺障害認定手続きを経てから示談交渉を開始することになりますので、後遺障害認定手続きを受ける期間も必要です。

示談交渉開始後も、内容によっては逸失利益の額や期間などの争いが生じますので、支払いまでの期間はさらに延びてしまいます。

このように、過失割合に争いがある場合や、後遺障害が残るほど怪我の程度が重い場合には、示談成立までの道のりが長くなります。

これらの要因以外でも、被害者が任意保険会社の提示する損害賠償額に納得できずに裁判となったら、さらに長引いてしまう可能性があります。

⑵ 示談成立から慰謝料支払いまでの期間

示談成立から支払いまでの期間についてはそう長くありません。

加害者が任意保険会社にしっかり加入しているならば、示談成立から支払いまで比較的スムーズに行われます。

具体的には、示談が成立し、免責証書などの事件解決の証となる書面が到着してから、3~4営業日以内に保険会社から指定口座に振り込まれるのが一般的です。

ただし、保険会社によっては手続きに時間がかかり、1週間程度かかってしまうこともあるようです。

相手方にも代理人がついていた場合には、さらに時間がかかる場合もあります。

【加害者が任意保険に未加入の場合】

加害者が任意保険会社の保険に加入していない場合は、加害者と直接交渉することになります。

直接交渉後、示談成立した場合には示談の取り決めにある期日に振込みが行われることになります。

そのため、振り込まれる期日は、加害者との交渉で決めることができます。

損害賠償は一括支払いが原則ですが、加害者に資力がない場合は分割支払いを許すほかありません。

この場合は、年に数回決められた期日に振り込まれます。

しかし、実際には保険未加入の加害者のほとんどが資力を持っておらず、支払い自体が困難というケースもあります。

加害者に支払い意思がない場合、あるいは支払い能力がない場合は、加害者の自賠責保険に被害者請求(自賠責法16条)をすることで、損害賠償金の一部を回収することが可能です。

また、ご自身が加入している保険や労災、政府保障事業による補償を受けることも考えられます。

2 交通事故慰謝料の支払いまでの流れ

次に、交通事故発生から慰謝料が支払われるまでの流れをご説明します。

⑴ 交通事故発生、警察・保険会社へ連絡

交通事故が発生したら、通常、第一にしなければいけないことは、怪我人が出ていないかを確認して必要ならば救急車を呼び、相手(加害者)の身元を確認することです。

その後は、警察に通報をします。

自分でできない場合は、周囲に助けを求め、警察に通報してもらいましょう。

到着した警察による事情聴取・実況見分が終わった段階で、保険会社に事故通知の連絡を行います。

なお、加害者がしっかり加害者側の保険会社に連絡をすれば、治療費についてはその任意保険会社が直接病院へ支払うことになり、その場で被害者が治療費を負担することはなく、またそれ以降の治療費の負担も不要となります。

⑵ 示談交渉の開始

任意保険に加入している加害者は、保険会社にその後の事故に関する交渉を任せることになります。

被害者側の保険会社は原則示談交渉に出てきませんので、被害者はご自身で相手方保険会社と交渉することになります。

加害者側の保険会社が行うことは、事故の内容を確認し、被害者との示談を行うことです。

しかし、被害者が入院中、または怪我の治療中の場合は示談交渉はできません。

なぜなら、治療段階では治療費や慰謝料などの全ての損害額が確定しておらず、示談の話し合いの前提となる金額の交渉ができないからです。

そのため、原則として治療完了まで示談交渉を待つことになります。

早く示談を完了させたいがために焦って治療をやめてしまう方もいらっしゃいますが、これはおすすめできない対処法です。

満足に治療を行わないと後遺症が残ってしまう可能性がありますし、治療を打ち切ってしまうことにより正当な額の入通院慰謝料を受け取れない可能性があるためです。

治療が終了した段階で、示談交渉が開始します。

後遺障害が残ってしまった場合には、自賠責保険に後遺障害申請をし、後遺障害の等級が決まってから示談交渉を開始します。

⑶ 損害賠償の確定、保険金の支払い

示談内容に被害者・加害者(または保険会社)の双方が納得した段階で、示談が成立します。

示談の内容に納得できない場合には、調停や裁判に移行します。

示談が成立、あるいは裁判が終結すれば、損害賠償額(慰謝料額)が確定します。

この後は、支払いの段階に移行します。

示談書等で履行期日が定められているため、この内容に沿って支払いが行われることになるでしょう。

以上が、交通事故発生から慰謝料支払いまでの流れです。

示談交渉では、保険会社からの納得いかない提案に苛立ってしまうこともあるかもしれません。

あるいは、「いつになったら支払われるの?」と焦ってしまうこともあるでしょう。

しかし、適正な損害賠償額をもらうためには、焦って同意しないように冷静に対処することが大切です。

【慰謝料=示談金ではない】

慰謝料と示談金とを混同されている方がいらっしゃいますが、これらは厳密には異なります。

具体的には、慰謝料は示談金の1つです。

示談金は、交通事故に関するすべての損害に関する金額の総称ですが、慰謝料はこのうちの一部でしかないということになります。

慰謝料とは、交通事故被害に遭ったこと、ケガを負ったこと等に対する精神的・肉体的苦痛に対する償い金のことです。

修理費や治療費などは、かかったすべてを加害者が負担してくれますが、被害者が苦しんだ気持ちはここには含まれていません。

そこで、治療費や入院費、修理費などとは別に精神的苦痛に対する償い金を「慰謝料」として請求することができるようにしたのです。

3 提示された慰謝料に納得がいかない場合

任意保険会社は、任意保険会社による算定基準で損害賠償額の提示をしてきますが、保険会社にとって有利な金額となっていることが多いです。

よって、保険会社が提示してきた慰謝料額に被害者が納得できないことはよくあります。

「早く慰謝料を受け取りたいけれど、提示された慰謝料額に納得できない」「保険会社に対してどう対応したら良いか分からない」……そんなお悩みをお持ちの方は、交通事故の案件に精通した弁護士にご相談ください。

任意保険会社との交渉は、すべて弁護士に任せることができます。

また、弁護士は過去の判例に則った基準で慰謝料額を算出するため、保険会社が提示する慰謝料額よりも大きく増額して示談をすることができる可能性があります。

交通事故を数多く扱う弁護士であれば、知識だけでなく経験も豊富ですので、個別ケースに応じて、最適な解決策をご提示できるでしょう。

4 交通事故慰謝料がいつもらえるか、不安がある方は弁護士へ

交通事故案件の早期解決、正当な慰謝料の獲得をご希望の場合は、当法人にお早めにご相談ください。

正当な慰謝料獲得のため、治療段階からのアドバイス・後遺障害認定の申請のサポート・保険会社との示談交渉など、様々な対応をさせていただきます。

交通事故の慰謝料に関して不安がある方は、どうぞお早めにご相談ください。

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